2015年12月31日

年の最後に大古酒

年も押し詰まった23日、今年最古の古酒を飲みました。
知人のホームパーティーで振る舞っていただき、有り難く頂戴しました。せめてもの御礼に私が抜栓しました。しばらく格闘して何とか抜栓成功。その苦労の跡が、後ろに散らばるコルクの残骸です。

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オスピス・ド・ボーヌなんですが、キュヴェ名無し。でも、ピエール・ポネル(歴史はあるけど評価は中程度のネゴシアン)を偽造するって事も無かろうし、ボトルやラベル、コルクの状態から見ても本物でしょう。別ラベルがあったように思えませんが、1920年代のオスピス・ド・ボーヌのラベルがどうだか、知らないので何とも言えません。

年は、末尾1桁の所がちょうどよれてしまっていて、どうやら3らしいですがこすれている可能性も無くはない。1928かも知れません。

味は、意外なほど若々しくて、ダシ系の旨みよりももっと果実感が強い。かつ、野性味のような獣のニュアンスもありますが、古酒である事は明白な練れた味わいです。良い意味で飲みごたえが有り、古酒として美味しいので、出して下さった方に感謝しきりです。

1923はブロードベントの「GREAT VINTAGE WINE BOOK」によれば8月が非常に暑くて乾燥し、9月に恵みの雨があった高品質な年と書かれているので、師匠が常々言っている事と考え合わせるとブルゴーニュであってもこういう濃さが出る可能性が十分有ります。一方で、南の方の産地のワインが入っている可能性もありますが、ワインが良かったのでその辺をとやかく言う必要なしですね。

年の最後に良い体験をさせていただきました。
posted by harukuni at 19:08| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月30日

山谷ブルース

ATOKでは山谷は変換候補の下の方になってますね。確かに、最早過去の地名になっています。山谷という住所はないしね。

この間、「大都会」シリーズの1(闘いの日々)がDVDで発売されている事を知り、即BOX購入。石坂裕次郎と、渡哲也(黒岩)が競演する西部警察シリーズの母体です。

ただし。大都会の1は全然西部警察じゃない。拳銃の発射シーンもない。ひどく暗く、重く、やりきれない結末の回が多い。それが私の心に強烈に響き、「わかりやすい正義なんか無い」という意識が植え付けられ、今じゃあ物事をきちんと考える努力をするけど、一方疑い深い性格になっている気があるなあ。

個人的な傑作としては、「前科者」とか、「大安」とか。いいですか、この両方倉本聰の脚本なんですよ!そもそもシリーズの基本に倉本聰が入っているらしい。倉本聰、北の国とか言う前にすごいじゃん。なんか今じゃ変っちゃった気がするけど。

で、同じく倉本脚本のこれも記憶に焼き付かずにおかないのが「山谷ブルース」。これもラストに全く救いがない、心臓を突き刺されるような苦しい作品です。
その「山谷ブルース」が冒頭とあと何度か流れるんですが、私は音楽に詳しくないので、

絶対、他で聞いた事がある!!!

と思ってそれが何だかしばらく悶々としていました。

で、ネットで検索してみたら無知を露呈。岡林信康さんの名曲です。当時はそれで良かったのか、クレジットが出ないので判らなかったんですよ。

この曲が一番長く流れるのは冒頭、山谷初男演じる「日雇い労働者」がふらふらと簡易宿泊所に帰ってきて、死体を見つける所です。今のドラマだと死体を見て必ず腰を抜かしますが、「労働者」はぶら下げてきた酒を死体に注ぎます。若い死に対する精一杯の志なんです。

舞台の設定どうこうじゃなく、「山谷ブルース」そのままの世界観。その先の展開も重く、辛い。死んだ男がヒモをしていたソープ嬢の思いが唯一の救い。
(番組内では「トルコの女」。労働者が歩いてくるバックにも「トルコ風呂」というネオンが光る。こういう所をクリアするため、発売まで時間が掛かったんだと推測します。最終的に、削除無しで発売出来て本当に良かった!)

ただ、私が聞いたのは他のテレビ番組だったと気がします。歌詞が違っていたはずで、オマージュだったんじゃなかろうか。押井守のアニメだったらすごく納得なんですが、思い出せない。押井守はこれをオマージュして何ら不思議じゃないし。まあ宮崎作品じゃないでしょう(本人は、こういうのを作りたいかも知れないけど)。

まだ思い出せません。しばらく鬱屈が続きそうです。
(あと、この時の仁科亜希子が可愛すぎる!!)
posted by harukuni at 21:39| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月27日

ヴェルデリョだよ!! ヴェルデリョだよ!! ヴェルデリョだよ!!

↑のタイトル、ブログサービスが変なんですが、それほど間違ってないのでこのままで。


知る人ぞ知るオーストラリアの新進気鋭ワイナリー、モリードゥーカー。赤が中心で、シェイクして飲め(二酸化炭素を充填していて、還元しているので)という面白い事を言っているワイナリーでも有ります。ヤウマとかルーシーマルゴーとかの「新オーストラリア」とは異なり、果実味がおおいに凝縮した「シラーズ」やカベルネを作っていて、アルコール15%前後。でも実に滑らかな飲み口です。
シラーのスパークリングなんかも有ります。飲んでみたら、これも色の濃さと裏腹に爽やか&きれいな果実味で実に美味い。見事です。


白も作っていてこれも濃厚感がありますが、白のスパークリングも有って、「ガール・オン・ザ・ゴー」という面白いネーミング。ラベルもまさにそんな感じ。スティルもスパークリングもヴェルデリョで作っています。

ヴェルデリョ。「Verdelho」です。マディラの代表4品種の一つで(他はセルシアル、ブアル、マームジー=マルヴァジア)、ジャンシス・ロビンスンの「ワイン用葡萄ガイド」では既に「実質感のあるテーブルワインとして、オーストラリア、特に西オーストラリア州の暑い地域を中心に成功した品種である」と書かれています。マディラ島の標高が低い地域もそうらしいですが、暑くても酸を保つのでしょう。

ところが。このところ日本でも徐々に見かけるようになっているオーストラリアのヴェルデリョ、十中八九「ヴェルデホ」と書かれています。スペインのルエダの品種ですね。

案の定モリードゥーカーのワインも同じくヴェルデホ扱い。東急本店でもそうで、スパークリングの品種を聞いた時ラベルを一生懸命見た上で「ヴェルデホですね」。しかも2週連続で同じ話をしました(別の人にね)。

ヴェルデホは「Verdejo」です。lhoかjoかの差で間違えやすいとは思うし、ヴェルデホの方がスティルワインとしては有名だから仕方ないとは思います。第一たいした差じゃないし。ヴェルデリョですよ、と言ってヴェルデホと同じじゃないですか、と言われても、違うんだけど、まあ、良いかと言った感覚です。品種に拘りすぎるのは日本人の余り良くない点だと思うし。

しかし、売ってくれているのは有り難いんだけど、流石に某ネットショップの記載にはうんざりした。

モリードゥーカーが造る唯一の白ワインがこの[ザ・ヴァイオリニスト・ヴェルデホ]です!!

このワインはスペインの高級白ワイン用のブドウ品種として注目されている、ヴェルデホ100%から造られています。近年、オーストラリアでも人気が高まり、少しずつではありますが、ヴェルデホを使った白ワインが造られています。


あのさあ。知ったかぶりするんじゃねえよ。ラベルにはっきり’Verdelho'って書いてあるじゃねえかよ!ここまで大々的にいい加減な事を書くと流石に腹が立つ。ちょっとは勉強しろ馬鹿者!!
ジャンシス・ロビンスンの本を見れば「近年 〜 少しずつではありますが」も間違いだし。。恥ずかしくないのかね。



ところで、同じヴェルデリョのワインで「スモールフォレスト」というワイナリーの物が出て来ています。ワインメーカーが日本人女性ということでちょっとした話題です。このワイン、インポーターの裏ラベルには品種が「ヴァデーロ」と書かれてます。Verdelhoの現地発音なんでしょうね。大阪のワッシーズのサイトには、正しく「ヴェルデリョ」と書かれてました。やっぱりちゃんとしてるなあ。(インポーターの資料にマディラの品種と書かれているみたいですが)

モリードゥーカーの方もインポーター資料にヴェルデホと書いてあるのかもしれませんが、大々的に言うのならラベルにはっきり書いてあるんだから確認くらいして下さい。という、何やら最近ヴェルデリョの伝道師になった気分です。

マディラのヴェルデリョ、スティルを飲む機会はないでしょうけどね。でも豪州の実績からすれば美味しいワインになりそうだな。
posted by harukuni at 19:49| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月26日

民主主義国家ニッポン

古館一郎氏が報道ステーションを降板するというニュースが一斉に駆け巡りました。

なんやかや言われてますが、古館氏がずっと「我慢していた」という報道が多いですね。ちなみに、私はテレビのニュースを最近余り見ていませんが、テレビでは報道してるんでしょうか。他局の人事のことだから、その意味で出来ないでしょうけれども、テレビ以外では「圧力」という文字がおどります。


そこに、TBSのNews23岸井さんも全く同じく今年度3月末を以て退くというニュースが来ました。こちらは、古館氏ほど騒がれていないようですが、偶然なんでしょうか。

記事内容は見ていませんが、確かSPAの中吊り広告に2016年は「左翼とリベラルが壊滅する年になる」というような見出しが躍っていました。何を馬鹿な、と思っていた矢先にこのニュース。SPAをきちんと読んでいれば良かったかも(でもさあ、SPAって扶桑社でフジ系列じゃねえの?かなり違うニュアンスはあるけど)。


NHKが安倍政権の代弁屋籾井会長の支配下にあって何も言えなくなっている中(爆問太田の発言事件が明瞭に示してるよな)、金儲け第一の民放に頼るのは無理も承知だけど、中でもテレ朝やTBSが現場を守れないようだったら、プーチン政権のロシアと一緒じゃん。プーチン政権、国内支持率は80%以上だそうだよ。それでウクライナから国土を軍事力で強奪したり、トルコに恫喝を繰返したりしているんだろ?日本も韓国に「これ以上慰安婦でごたごた言うな」とか恫喝したいのかね?
(韓国で慰安婦の本の出版で刑事告訴された事件で、日本で一斉に反論したのは朝日とかリベラル系の人達だったのがすごく印象的。産経はどう報道していたのかね・・最近わかんないんだよなあ)

メディアは政権のミスをつつくのが仕事。時折馬鹿馬鹿しかったり、完璧に間違ってたりするけど、それは謝れば良い。政権をねちねち批判したら降板させられる、のだとしたら、民主主義のメディアじゃない。

みんな大好き橋下前知事だって、人気の重点は光市の事件の弁護団を糾弾したからじゃねえのか。相手の論理の弱みをつついて、物理的に効力のある不適格指摘をするように自分のマスコミ知名度を使って煽り立てて妨害を実行した。論理的な正義じゃなくて弁護士の力を喧嘩に使う、相手が誰でも目的によっては容赦なく使う。だから私は橋下を極めて嫌っている。

多分日本で一番ヒトラーに近い(後の説明をちゃんと読むように)存在だからだ。主義主張がナチスだなんて言っていないし、人種差別への態度は大阪の「在特会」と喧嘩した事からわかるので絶対あり得ないのは間違いなく承知している。ただ、人々の不満を煽り、それを同じ人々の中の特定集団に向けさせるやりかたが危険だと言っているのだ。その特定集団は大抵「役人」という今では曖昧な言葉でくくられる。原発を叩いて見せたのと、東京の石原が就任直後に銀行を叩いて見せたのと、わかりやすい敵を作って正義の味方になる手法が露骨でいやらしいんです。

そういう「力を振りかざす」人にし対して、メディアは批判的な立場でいる必要があると思う。実際に力がある人が粛々と(沖縄で問題になったけど、これ、すごく象徴的な言葉だと思うぞ)進めますという時に反対の観点を示すのが、考え方によるけど、メディアの立場なんじゃないのか。なんで「粛々」が正しいのかを主張するメディアも当然あるべきだし。反対か賛成かを示し、その根拠を主張するのがメディアなんじゃないのか。その主張に、一般大衆はどちらを選ぶか考えるんだから。

色々嫌われながらも古館氏は報道ステーションを維持してきたし、岸井氏も政権に厳しい事を言ってきた。私も古館氏や岸井氏に全面的に賛成しているわけじゃない。原発の扱いなどは非科学的だと思う事もしばしばだった。でも、それは自由に言って良いはずだし、どこかの作曲家が代表の「放送法を守る会」とかいう低レベルの連中が喜ぶさまを見るのは不愉快極まりない。


まして、もしこれが民放会社の自粛的態度だとしたら、本気で戦前の大政翼賛会になりますよ。対中国だから問題ないって?尖閣をどう思うのかって?それを議論するのが民主主義。上手くいってないように見えるかも知れないが、わかりやすいところに飛びつくとワイマールからナチスになるよ。


今の自民党が韓国だの中国だのに本気で喧嘩を売るわけないので、武力衝突なんてあり得ないけど、国内への締め付けがこういう形で出ているのだとしたら民主主義国家として不適格。最近次期首相として上がってきている稲田朋美はもの凄い右翼だし。同性婚とか絶対無いし、選択式別姓も吹き飛ばすでしょうな。教育勅語を復活とか、言いかねないよマジに。

確かに、昔の自民党が言っていたとおり、「民主主義は戦勝国の押しつけ」だから自分のものにならないんでしょうね。意味を体得してないんだよ。お坊ちゃまの安倍晋三さんにしてもね。
(でも、今考えると昔の自民党の人は本当にまともだったなあ。難問に正面から取り組んでいた。賄賂とか色々あったけど、それよりも大局を見る人が多かった。対抗馬として充実した批判をする社会党があったのも重要だったんじゃないかなあ。「政治と金」とか言って、一番重要なところを潰したのかもしれない)

じゃあさ、民主主義国家の日本って、どうするの???それを安倍総理以下、非リベラルの方に聞きたい。何を以て日本が民主主義国家だって言うのかね。投票率半分も行かない選挙をやってるからですか??

ま、お友達の金持ちが自由に金儲け出来れば民主主義なんだろうね。じゃあ中国も立派な民主主義国家だよな。
posted by harukuni at 04:32| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月24日

超有名とほぼ無名と

クリスマスなんでもう一つ豪華ワインについて。

ワイン会で、久々にDRCのワインを飲みました。88年のエシェゾーです。DRCの中では一番安いとは言え、88年ですから今買えば幾らするかと。リリース当初は2万円くらいだったはずですが。

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固い事で有名な88年。このエシェゾーも見事にまだがっちりしていました。いろは実に美しい赤色、澄み切っていて実に美味しそうですが香りも味も、確かにとても素晴らしいものの片鱗程度しか見せていませんでした。いつか開くんですかねえ。


ところで、この日のラインナップの一つにドメーヌ・デュブルイユ・フォンテーヌ(Dubreuil-Fontaine)のコルトン・シャルルマーニュ90年がありました。これが、実に素晴らしい状態でした。
クリームや蜂蜜の香り、いきいきとした酸+熟成の甘み。エレガントで滑らかでかつコクがあり、見事でした。

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デュブルイユ・フォンテーヌは何故か知名度が低く、値段も安いですがこの90年はもっと有名な生産者に全く引けを取りません。或いは年ごとのばらつきが大きいのかも。本拠地がペルナン・ヴェルジュレスだからか?まさかねえ。

日本のワイン需要は名前に捕らわれすぎる観がありますが、これを飲んでまたその感を強くしました。
posted by harukuni at 22:33| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月22日

コルクの不思議

先日ワイン仲間のクリスマスパーティがありました。そこに、乾杯用にクリュッグのヴィンテージ2000年2本を持ってきて下さった方がいらっしゃいました。
(何とんでもない事言ってるんだという指摘は当然だと思いますがご勘弁を。ちなみに、それが当たり前みたいな凄まじい会でも無いです)

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2本を、私と別の方とで開けたのですが、そちらの方が「あれ?全然プシュってならないし簡単に抜けた」と言います。私の方は普通に硬くて泡の圧力があります。オーナーが急いで味見をしたら、泡はちゃんとあるし、味もおかしくない。ボトルの外見も2本で全く変りません。

そこでコルクを見てみたところ、こんな感じ。コルクの状態が、2本で全然違うのです。

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新品同然のコルクと、何十年か経ったみたいなコルクです。当然、私の瓶が新品的コルク、もう一本が経年的コルクです。コルクにはヴィンテージが焼き印されていますが両方ともちゃんと2000と入っています。

何しろクリュッグのしかもヴィンテージ。相当高級なコルクを使っているはずです。また、縮んではいますが色の感じはそれ程年季を感じません。最下部の縮みが激しくやや色も濃くなっている一方、上部は若い方と変らない感じなので、泡が抜けたり酸化したりしないで済んだのでしょう。

しかし、なぜこういう現象が起きるのか。多層構造のシャンパーニュコルクならではの気がしますが、不思議なものです。

あと、クリュッグ2000年はまだ非常に若い感じでした。でも味わいは豊かです。さすがですね。超高価だけど。
posted by harukuni at 21:09| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月17日

七五三の偶然

ここまで偶然が起きると驚きます。

13日のモヤさま年内最終回in白楽で、「七五三さん」という珍名の方が出ていました。
ただ、私はすぐ読めました。仰っていたとおり七五三縄から来ているというのも勿論ですが、神社が好きになる以前から人名に興味があった私は珍名の本も読んでいて、その中で「七五三」を「しめ」と読むというのはとても印象に残っていたからです。

しかしなぜ七五三で「しめ」なのか。珍名を解説した本のうろ覚えを引っ張り出すと、七五三縄に垂らす紙垂(しで、カクカクしたあれです)が7,5,3になっているから、という事でしたが、紙垂の何が7,5,3なのかはよく判りませんでした。なんとなく、四角の部分の数かと思っていましたが、いざ神社巡りを始めると紙垂で四角部分が三つという短い物は見た事が無かったですし、モヤさまを見て理由がはっきり知りたくなりました。

とは言えどう調べるかなあ、と思っていたところ、今週から読み始めた山本ひろ子著「変成譜」(春秋社)に、今日まさにそのことが書いてあるのを見つけたのです。とある古民俗の祭儀についての章(内容をとても説明出来ないのでこれだけで)に「七五三大事祈」の考察が有り、その最初にこう書いてあったのです。

「七五三」とはいうまでもなく、神前や祭場に掛け渡し、清浄の結界を作り出すための「注連縄」の「注連」の意味で、「標」が本義とされるが、いつからか「七五三」という名数が充当された。

(以下全て同書から引用。なおフリガナは省略し、また出典を示している部分は著者の引用で、それを私が抜き出している)

どうやら、定説はないようですね。しかし、「名数」の所に注記の印があるのです。見てみたら、おお、なんと!『「七・五・三」の名数をめぐってはさまざまな配当説が生まれている。』と有るじゃないですか。これはその諸説を知る事が出来るのか!

七五三と数を分るは、七五三は合て十五なり。天道は十五にして成なり。(諸社根源記)

ん?十五に結びつけるのは判るけど(この手の数字遊びや言葉遊びみたいな解釈は、中世宗教理論で極めて広く行われています)、「天道は十五にして成る」ってなんだ?著者は『吉田神道説にもとづく解釈といえよう』としているので、吉田神道を知らないとわからないみたい。

次に、

一条兼良の『日本書紀纂疏』は、神道の根本義である「直」に、左を表わす「陽」と「清明」を加えた「三徳」によって「染浄ノ義」を分かつとしている。

これだけ?あ、あの、何だかわかんないんですけど・・・・三しか出て来ないですよお???

と、ここまでは私の手には負えないのですが、次に著者が示す修験道の考え方は一応不完全ながら判りました。著者の説明文は修験道の文書の引用を読んだ上での説明なので、私がまとめるとこうなります。

@注連縄を張った時、そこには金剛界の七百、胎蔵界の五百の仏尊、及び仏部・蓮華部・金剛部三部の諸尊までもが示現する。なので、「七五三」は密教の根本を本源としている。
A北斗七星、五行(「陰陽五行」のあれ。木火土金水。)、天地人の三才、この3つの象徴。

Aは間違いないです。@もまとめを間違えてないと思います。

3つの立場からの解説は全て中世の解釈です(この本が中世宗教の考察なので当然)。しかし、標が「七五三」になったのがいつかわからない以上は後付けと言い切る事は出来ないでしょう。

ところで、本文では最初の引用に続き、注連縄の起源と作り方も簡単に触れています。起源は、Wikipediaにも出ていますが天の岩戸神話で一旦出て来た天照大神が戻れないように岩戸の口に縄を張ったという事を紹介。そして、作り方については。

新しい縄を左縄にない、所々に、七・五・三と藁を下げ、その間に木綿垂を垂らすといった物であった。

そおかあ!私のうろ覚えの数は、紙垂の数じゃなくて藁の数だったんですね!(大きな神社の本格的な注連縄には、藁が下がってますよ)

なんと、モヤさまの七五三さんから4日後に積年の疑問がほぼ解けてしまったわけです。しかも全く偶然に。この本、古本ネットで買ってから1ヶ月くらい読んでいなかったのです。しかも、著者の論述では注連縄の語源、まして起源や作り方をここで書く必要は無いのです(この本の読者なら七五三縄を知らない人なんていないでしょう。名数の配当理由は知らない可能性は有りますが)。この文章がこの本に載っていた事が、更に偶然性を高めています。

まあ、解けたと言っても私の勉強不足でせっかくの注記が理解不十分に終わりました。まだ前半ですが、この本でこんなに理解出来なかったのは(引用原文が読めないのは別にして)無かったのです。それもまたある種偶然。

そこまで軽々には辿り着けませんよという、これは神仏の冥慮かも知れませんね。。



関係ないけど、モヤさまのあの名札は仕込みでしょう。フリガナ振らないと、名札の意味成してないぞ。
posted by harukuni at 19:25| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 神社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月07日

不思議な建彦神社

最近始めた一宮巡りの一環で神奈川の寒川神社に行きました。予想外の大きさとお土産物屋(授与所じゃなくて)の充実にびっくりしましたね。

私は遠出すると必ず地元の神社も巡ります。寒川では東の方に進みました。寒川神社から3km強離れた斜面に、建彦神社という変わった名前の神社があります。結構規模が大きい社殿で、鬱蒼とした雑木林の中の佇まいはかなり魅力的。しばらく雰囲気を堪能しました。珍しく鐘があって撞木もちゃんとあり、撞ける状態でした。

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参道もいい雰囲気。

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ただ由緒書きのような物は無かったので祭神もわからず。名前の由来も知りたかったので帰りにネットで調べました。それによると諏訪神社2社と金山神社を合祀したとのこと。

ん?まさか、「建御名方」の建と金山彦の彦を合わせて建彦神社なのか?こういう名前は今のところ記憶にないけども・・・と思ったら、やはりネットによればそういう命名だそうです。

しかし、もっと驚いたのが祭神。神奈川県神社庁のHPによると。
・建御名方命(たけみなかたのみこと)
・金山彦命(かなやまひこのみこと)
下照姫命(したてるひめのみこと)
・大日霎貴命(おおひるめむちのみこと)
総明玉命(ふさあかるたまのみこと)
・国常立命(くにとこたちのみこと)
・澳津彦命(おきつひこのみこと)
天照姫命(あまてらすひめのみこと)
・大国主命(おおくにぬしのみこと)
菅原祇命(すがわらつみのみこと)
・大山祇命(おおやまつみのみこと)
・誉田別命(ほんだわけのみこと)
以上となっています。単に諏訪神社と金山神社だけを合祀したわけではないとおもわれますが、勿論建彦神社になる以前に合祀が進んでいたものとも思われますが。

しかし、この祭神の中に全く聞いたことがない神様が複数あるのです。赤字で表記したのがその神々。あの玄松子大師匠のサイトにはきわめて多くの神様が載せられていますが、全く出ていないし他の情報は言うまでもなし。相当専門性の高い書物をあたらないと無理でしょう。

大師匠のサイトでは、似た名前の神はあるようなのですが、「菅原祇命」となると菅原道真と大山祇命が混ざった誤伝に思えてなりません。でも神社庁の情報に正式掲載されているとなると、こう伝わっていたことは間違いないでしょう。

何か不思議な、神秘的な建彦神社です。
posted by harukuni at 20:02| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 神社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月02日

2015年ヌーヴォー:今頃?

あのジョルジュ・デュブッフ氏が「我が人生で最高の年」と言ったという触れ込みの今年のヌーヴォー。日本への輸入量もかなり減ったらしいし、落ち着きを見せている中の評価なので出来るだけ飲んでみる事にしました。

飲まないと言えないので今書きますが、既に時期遅れになりかねない。のですが、そんな事は多分無い。2015は確かにおおいに美味しくて、売れ残りを見つけたらゲットする価値ありだと思うからです。

まず、そのデュブッフの単なるボジョレからして果実味豊か、ボディもたくましい。とは言えヌーヴォーなんだから待つ必要もなく美味しく飲めます。現時点で飲んでいないので何とも言えませんがデュブッフのヴィラージュなら(早く買おう)、毎年の事ではあるとしても、半年くらい待ったらより味わいが増す事でしょう。

他に飲んだのは、

・ルロワ
・アルベール・ビショー
・フランク・ジュイヤール(フィネス輸入)
・マドンヌ(東急で販売)
・タイユヴァン

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といったラインナップ。通常試すジャドやドルーアンは売り切れ!東急で聞いたら、人が集まっている雰囲気はなかったのにどんどん売れて、なんの苦労もなくもう完売だそうです。まあ、今年ならそれも有りでしょう。個人的好みはジュイヤールで、ヴィラージュで少し高い割にラベルがかなりダサイので売れ残り気味ですが、これは良いですよ真面目に。

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師匠や他の専門家の話を伝え聞くと、全員が2003年が最高で、その後05,09が良くて、15は03までには及ばず05,09に似ているとのこと。多分すぐわかりやすいかという観点に立っている気がしますが、酒軀が強くてややわかりにくさは弱いものの、2015は相当ハイレベルだと確信します。

スーパーに行くと、まだデュブッフのボージョレヌーヴォーを売っている事があります。見逃す手はないと思いますね。

posted by harukuni at 00:03| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする