2016年01月22日

「隠れた」名ドメーヌ って?

とあるネットショップ。結構老舗のしっかりとしたショップです。そこで、

「モレ・サン・ドニの隠れた名ドメーヌ」

何処だと思ったら、ユベール・リニエ

は??ちっとも隠れてない、有名ドメーヌじゃねえか!

確かに、ここ数年人気が無いと師匠も言ってるし、実際売れ行きいまいちだし、濃密タイプがルソーなんかと違うんだろうけどさ。同じく濃厚タイプのドニ・モルテも人気が衰えてるように思える(以上東急本店の売れ行き観測)。

だからって「隠れた」名ドメーヌじゃねえだろう。ごく最近の何も知らないマニアは知らないかも、だろうけどさあ。

もしこれが今の日本のワインファンの認識だとしたら、ソムリエ試験の参考書とか読む前に、ちゃんと飲んで体験しろよと、厳しく言いたくなります。好みの差云々レベルじゃないぞ。
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2016年01月20日

珍品コルトン・シャルルマーニュ

先日のワイン会で、珍しいワインを飲みました。

コルトン・シャルルマーニュで、生産者はモーリス・ドラルシュ(Maurius Delarche)。その1996年です。
それ程有名な生産者では無いため、この頃の他のラベルがわからないのですがこれは通常のドラルシュのラベルとは違うはず(絵の部分は一緒なので、そうは違わないかも知れませんが)。ラベルの一番下に書いてあるのですが、ノース・バークレー(NORTH BERKELEY)のバレル・セレクションです。

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ノース・バークレーはアメリカの輸入業者で、バイヤーがブルゴーニュまで行って目を付けた生産者にワインの熟成と瓶詰め方法を指示し、それを特別ラベルを貼って販売していました。そのワインが高品質なので有名なのです。(今はもうやっていないらしいですが)

有名なのはジャン・ラフェです、というよりジャン・ラフェしか知らなかったので、ドラルシュをやっていたとは知りませんでした。

味は、(比較相手が合わないかも知れませんが)ボノー・デュ・マルトレなどに比べると早く飲み頃になっているように思います。カラメルのような香ばしさやクレーム・ブリュレの風味がきれいで、味も熟成の甘みがきれいに出ていて今が飲み頃に思えました。

ノース・バークレーはアメリカ向けの味に仕上げている筈なので(新樽100%熟成、無清澄・無濾過だとか)、こうした特徴が早く出やすいのかも知れませんね。

なお、今楽天を見たら95年を売っている店が1軒ありました。約23,000円ですね。
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2016年01月17日

バス事故の被害者写真について

いたましいバス事故が起きてしまい、どうも今年は嫌なニュースばっかりが先行する感じで悲しく感じる。芸能ニュースも悪い話ばっかりだし。

ところで、バス事故に関して新聞が掲載した顔写真について、議論が起きているそうだ。詳しくはこちらの記事(http://bylines.news.yahoo.co.jp/fujisiro/20160117-00053510/)

この記事にもあるが、朝日新聞はフェイスブックやブログなどの出典を示している。毎日・読売は恐らく同じ写真だが出典を表示していないとの事だ。確かに、大事故が起きた時に顔写真を載せるのは昔から有ったことで、しかもその出典が示されていた記憶は無い。

何故か朝日を批判する声があるそうだが(どういう論理で批判しているかは不明)、出典を明示した方がより良くないか?この記事でも同じ論評。ネットから持ってくるのと、卒業写真集とかから持ってくるのとで何か差が有るとは思えない。両方とも、公に出している事に変わりは無いので。

記事は、大メディアのSNSからの写真引用にやや否定的な論調で書いている。私はそうは思わない。この記事の前に元になった朝日のネットニュース(http://www.asahi.com/articles/ASJ1J43P4J1JUTIL00N.html)を見て思った事だが、亡くなった若者達の生に近い表情を伝える事で、事件の重大さ、悲惨さ、苦しさを生々しく伝える事になっている。私自身非常に胸が苦しくなった。写真がなければ、もっとはるかに他人事だったろう。
新聞記事は単に事実を伝えるだけでなく、報道から何らかの進歩を引き出す事が使命のはずだ。いきいきとした表情の人々の命が一瞬にして奪われた事を強烈に伝える事で、社会を動かし、再発防止を訴える機能があると思う。

Facebookであっても公開は公開だし、ブログはいよいよ公に顔写真を出しているのであって、そこから「引用」することに何ら問題は無いと思うし、大新聞のようなメディアは積極的に行って良いと思う。興味本位で晒しているのとはわけが違うからだ。
その際、引用元を表示する方がおおいに正しいと思う。

事故の結果のあまりの悲惨さから報道は多数行われている。警察も威信を賭けて原因究明にあたるだろう。2013年の関越事故の教訓が生かされていないのだとしたら余りにも情けない(中国とかの事故を嘲笑えないだろう)。再発防止の一層の原動力になるなら、顔写真を報じることに大きな意味があるのではないだろうか。
posted by harukuni at 23:47| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月16日

東急古酒ー正月

先週末連休の東急古酒ウィーク、「ダメ」が皆無だったのは素晴らしいです。

30種近くのワインをどうこういえませんが、個人的に好きだったのはこの4つ。

白ならニーロンのクロ・ド・ラ・マルトロワ、98年。熟成の甘みと若い透明感が混ざり合って絶妙。ニーロン、流石です。

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赤ではギガルのコート・ロティ、シャトーダンピュイ1996年。最初地味だと思っていたのですがグラスの中でどんどん開いてくる。野性味や鉄や血の感じのローヌらしいシラーでありながら、ふくよかな果実味やまろやかさもおおいに感じます。さすがギガルという感じ。3銃士のように高価じゃないので買い得でしょうが、多分20年近く熟成させないと本領を発揮しないでしょう。

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そして、フィジャック75。初めはヴィンテージのせいもあり、固くて青い印象を受けますが奥にある豊かさと滋味はさすがのもの。しっかり味わうとボルドーの奥深い美味しさを感じます。乾いたタンニンも感じますが、やがてまろやかさに変わっていくのが見事です。

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あと、白でもう多分手に入らないマルティネリ・シャルドネ。実は99と2002を飲んだのですが両方美麗かつ豊か。このワイン、マーカッサンのヘレン・ターリーが、マーカッサンと同じ畑で(畝は違うよ)同じ作り方をしたワインなのだそうですが、値段はマーカッサンの10分の1。比べる事は出来ませんが99も02もひたすら美味しかったです。やはり「見事」というレベル。

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他もとっても印象的だったんですが、とりあえず、このくらいで。
タグ:古酒
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2016年01月15日

1990年の古酒の会

先日、古酒のワイン会に参加しました。テーマは1990年ブルゴーニュです。
リストは
Heresztyn / Geverey Chambertin
Jean Raphet / Clos de Vougeot Grand Cru
Robelt Marchand / Vosne Romanee 1er Cru
Louis Jadot / Nuits St Georges Clos de Corvees 1er Cru
Bernard Vaudoisey-Mutin /Volnay

見ての通り生産者の知名度もバラバラ、畑の格もバラバラですが、これは主催者の考え方によるもの。「グレートヴィンテージ」とは、どんな生産者が作ってもうまく出来るという考えで、かつ畑の差も25年前程度ではそれ程出て来ないということもあります。

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飲んだ結果は、Volnayはもう盛りを過ぎてしまったように思えましたが他はあと少し熟成させても良いか、だいたい今が良い時という印象。個人的にはルイ・ジャドがトップ、ジャン・ラフェが2位と思いましたが他も大きな差は有りませんでした。主催者の主張に納得がいきました。

また、白がなかったので主催者が持ってきたのがカリフォルニアのAUSTERITYシャルドネ2014。全員賞賛していましたが、なんと1本2,800円!温度が低い時にはエレガントで引き締まっていてピュリニィ・モンラッシェでも通りそうだし、温度が上がると一気にプリンやクリームの香りが立ち、甘みが出てカリフォルニアになります。どちらの状態でもとても美味しいので、このみで温度を調整すれば良いでしょう。

また、ある方が持ち込んで下さったのが1990年のサロン。ブラインドで出て来た時、シャンパンである事は判りましたがいろは黄金色、香りはモカやカラメルの熟成香が強まりながらも、味わいは熟成の甘み+まだきれいでエレガントな酸味が素晴らしい。大体の参加者が言っていましたが「初めてサロンを美味しいと思った」。私も、数回飲んだ事があるリリース直後のサロンは酸がきつすぎて美味しいと思えなかったので、これを飲んで、やっぱり初めてサロンの実力を納得しました。リリース後20年は熟成が必要なんですね、サロンは。

最後は珍品、ドラス社(DELAS)のコンドリュー1989年です。
コンドリューの25年物自体極めて珍しいですが、これは単なるネゴシアン物。但しドラス社はハイレベルのネゴシアンです(ギガルに匹敵)。ただ、驚くのがインポーター。なんと、

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雪印乳業です。不祥事前に雪印はワインを輸入していました。その頃のラベルで、恐らく普通の最新ヴィンテージが輸入されて、どこかで眠っていたのだと思います。

香りは余り立たず、ヴィオニエ特有の華やかな香りは一切無いです。しかし味わいはかなりのもので、柔らかく優しく、途中から蜜やクリームの風味が広がります。サロンの後に出てやや霞んでしまいましたが、それでも全員誉めていました。

まあこんな物を持ち込むのは私なので、とっても安心しましたね。素晴らしい会でした。(しかし、コンドリュー今までどこにあったんだろう・・・)
posted by harukuni at 21:51| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月13日

おしゃもじ、ミシャクジ、宿神

今日は雑感です。

東京の付近を歩いていると、「おしゃもじ」という名前の神社をぱらぱらとみかけます。大体小祠で、大きい神社の境内社です。今覚えている物を挙げると、
・大田区 糀谷神社内 釈護子稲荷
・世田谷区 杓子稲荷(「しゃくし」かも)
・八王子市 宇津貫熊野神社内 社母子権現石塔
・横浜市鶴見区 御社母子稲荷
また、富士宮に行った時もそのまんま「しゃもじ神社」がありました。

「しゃもじ」神については一度書いています。亀戸の石井神社に行った時に説明があって、「石神」を「しゃくじん」と読むのだと。その転訛だろうと言う事でした。「しゃくじん」という読みは、あれっと思いますが東京には「石神井公園」があるわけで、実際その地名を生んだ石神井神社のご神体は石の剣、或いは陽石ということでした。


ここ数年、友人の好意で年1回蓼科に行きます。最寄り駅は茅野で、その関係で諏訪大社やその周辺を歩き回りました。そこには「御社宮司」という神社が多数あります。「ミシャグジ」と読むそうです。シャグジ、シャクジなど微妙な変化も多数有ります。

しゃもじとは少し遠い発音です。しかし、「しゃくじん」になると近付きます。このミシャグジ信仰、既に柳田国男も取り上げていて、それについて書かれているのが、「石神問答」だそうです。やっぱりしゃくじん=石神なのか。

ところが、Wikipediaの「ミシャグジ」を見ると(※)日本民俗大辞典では「石神(いしがみ)とは異なる」と書かれているそうです。一方、柳田国男は境界神=サイノカミの一種であると考察しているとの事です。道祖神の一種という説もあるそうで、諏訪地方が信濃、つまり道祖神の多い地方で(実際車で走っているとよく見かける)、どう棲み分けているのか不思議にも思いますが、サイノカミ説も有力そうです。


また、Wikipediaによれば「ミシャグジ信仰は東日本の広域に渡って分布して」いるとの事です。この根拠が残念ながら示されていないのですが、恐らくは参考文献にある{今井野菊「御社宮司の踏査集成」、『古代諏訪とミシャグジ祭政体の研究』、 pp.118-187。}に依っているのではないかと思います。しかし、ミシャグジそのものは私が回っている東京・埼玉・千葉・神奈川では現時点では見かけません。となると、「しゃもじ」「しゃくじん」をミシャグジに含んでいる可能性が高いと思います。
(なお、この踏査集成が載っている本は「幻の本」という題名でFacebookに写真が出ていました。論文調査サイトで見たら、国会図書館とか国立民俗博物館とかにしかないみたいです。)



最後は宿神。「しゅくじん」です。読みが「しゃくじん」に極めて近いし、シャグジともほんの少しの差です。
ところが、宿神は芸能神なのです(守宮神の事はおいといて)。猿楽をはじめとする芸能民が信仰していた神だという事は知っていましたし、なんで「宿」なのかと言えばそれは「夙」に通じ、芸能民の拠っていた場に関係する、という話だった記憶が。一見性格が余りに違うので、これは流石にたまたま似ただけだろうと思っていました。


それが、小田雄三氏著「後戸と神仏」(岩田書院)を読んでいたら、芸能史研究の大家服部幸雄氏の「宿神論-日本芸能民信仰の研究」という本の書評(とはちょっと違うんだけど)が含まれていました。書評なので章・節が紹介されていて、その第2章が、
・第7節 宿神とシュグジ・シャグジ
・第8節 シュグジ・シャグジの本質
となっているというではありませんか!更に、この章についての服部氏自ら示された要点が紹介されていて、その七は、
「夙と宿神について。地境鎮護の神としてのシュグジ・シャグジと宿神。」
となっているとの事なのです。やはりミシャグジ信仰まで視野に入っているのか・・・

宿神論、他にもそもそもこの手の世界に私が引っ張り込まれたきっかけの摩多羅神についても論考が書かれており、9,000円超えの本ながら、今既に手元にあります。ワインに比べりゃあなんてことない。


ただ、この世界果たして私が今の知識ですら手に負えるのかどうか・・・。余りにも茫洋とし、雲をつかむような世界の筈。道祖神の難しさを考えれば、途方もないところに足を踏み入れつつある不安もあります。
(そもそも他に読まなければいけない文献が現時点で5つほど見つかっている)

なにか、自分で納得出来るところへ行ければいいのですが。。。

ちなみに、おしゃもじについて再度考えてみたいと思ったのは、なんとモヤさまの溝ノ口の回がきっかけでした。溝口神社で出て来た、しゃもじ絵馬です。その直後、たまたま「後戸と神仏」を読み返したのが更に拍車を掛けました。



※ Wikipediaは内容を慎重に受け止める必要がありますが、ミシャグジの記載は引用文献、その文献の引用部分の示し方が実にしっかりしていた事から(上記、「幻の本」まで含まれているほどですから)記述者がかなりのハイレベルな方(専門の研究者かも)で、十分信頼に足ると判断しています。
posted by harukuni at 21:16| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 神社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月05日

ルーミエ祭りに限定参加

もう恒例になった新年一発目の東急カウンターブルゴーニュ。古酒の会が2週目、3連休に移ったからです。今年は、ルーミエ売出しの後で、1本オンリストされていました。ということは、ルーミエ祭りになります。

それを忘れて行ってみたら、意外と空いていてカウンターの瓶を見てはじめて気付きました。最初はカウンターに座れませんでしたがすぐに空いて移動。その後しばらくしてやはり満員に。そりゃあそうだ。

で、ルーミエの群です。村名シャンボール・ミュジニィは3日に出ていました。

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レザムルーズがあるのがすごいというか流石ですが、1杯12,000円(税抜き)なのでまあお話にならず。ACブル、村名、クロ・ド・ラ・ブシェールは飲みました。
最初がACブルでしたが13年というと氏の評価を考えても予想外に美味しい。ルーミエはカウンターでリリース直後を飲むと固くて美味しいとは言いがたく、まだ先にならないと・・・という感じですがACブルがまず果実味濃厚で美味しいです。他の二つも同様でした。美味しいんですが、村名でグラス2,400円はきつい・・・ACブルがグラス1,000円だったので、入手出来れば、そりゃ他の有名生産者のACブルより更に高価ですが、ルーミエという事でいえばお得感がありますね。

今回2日掛けて結構数を飲みました。中で一番美味しいと思ったのがジョルジュ・ミュニュレ・ジブール(Georges Mugneret-Gibourg)のニュイ・サン・ジョルジュ1級レ・シャニョ(Nuits-Saint-Gorges 1er Cru Les Chaignots)。果実味がきれいで、柔らかいですがキレもあって満足感が高いですね。

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ニュイ・サン・ジョルジュはミュニュレ・ジブールの中で余り人気が無い方なので、お買い得な気がします。
posted by harukuni at 22:45| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする