2016年11月30日

ルフレーヴを飲まないルフレーヴ特集

先週のカウンターは年内最後と言うことで、ないしルフレーヴ14年入荷と言うことで、ブルゴーニュ特集でした。

ドメーヌ・ルフレーヴ、昨年アンヌ・クロード女史が亡くなり、手がけた年は14年が最後なので(だけじゃないですが)相当に品薄かつ高騰しています。東急でもバタールが59,400円、シュヴァリエに至っては72,360円。しかもなんとなんと村名ピュリニィ・モンラッシェで13,600円!!!

マダムと一緒にワインもお星様になったんだね・・・(アホ)

今回のカウンターは勿論ルフレーヴ尽くしで、しかもピュセルなどバックヴィンテージのハーフが多数入荷したので(インポーターがレストラン向けの在庫を出したんだそうです)プチ垂直も出来ました。

でも、もはやグラスでも勘弁状態。ピュセルは4,000円弱、バタールは8,000円!遂に一切飲まずじまいになりました。

でも素晴らしいワインを飲むことが出来ましたよ。オンリストのジョセフ・ドルーアン、シャサーニュ・モンラッシェ・モルジョ(マルキ・ド・ラギッシュ)の2014年と、番外編のラヴノー、シャブリのクロ(ラヴノーは「レ」を付けない)、2011です。

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モルジョは、ドルーアンらしいと良いながらリリース直後でこれほどクリーム感横溢で豊かとは驚きです。
一方のラヴノー、クロが、また豊かで香ばしく、おおいに果実味を感じます。ラヴノーは固いというイメージが合ったので2011である意味ドルーアンに共通した驚き。勿論、シャブリの岩のような風味も備えていて味はモルジョとは全く違いますけどね。
どうも、ここ数年ラヴノーも豊かになってきたような気がしていますが、東急カウンターでしか飲まないので断定的なことは言えません。

なおペロ・ミノの村名ジュヴシャンも飲んで(マジはやっぱり高い・・・)、あれ、こんなに薄い旨み系のワインだったっけ?と思っていたら同席の方が全く同じ感想を言っていました。ペロ・ミノも方向は違えど味わいを変えてきているのでは無いかと思いますね。1年じゃ判りませんが。
(その点隣のドニ・モルテは変わらない印象でした)

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ルフレーヴを外しても、十分興味深い回でした。値段も控えめに収まったし。
posted by harukuni at 21:10| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月21日

路傍の謎の石仏神〜後

庚申塔に色々な種類があるのは本で知っていました。その中に、珍しいものに石祠型があるとも読んでいました。

今考えると、極端に珍しいか、それを庚申塔に入れるのが間違いか新宿鎧稲荷の狛犬庚申塔が有りますが、私はこれを庚申塔に入れるのは納得できないのです。庚申講が、その時に狛犬を奉納したのだと思う。でも、それを言い出すと庚申塔の基本概念論争になるので触らない方が良い。
結局、形より「庚申のための奉納」が大事なわけです。

と言ってしまうと発見じゃなくなるので頑張って書くと、長野市に行ったときに間違いなく庚申塔であろう、同型の物を発見したのです。これをなんと言えば良いのか、祠のような、四角い舘のような。。

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上は権堂の秋葉神社、下は善光寺参道東側の伊勢神社に有ります。

庚申塔だと判断するのは三猿が彫られていること。三猿の信仰自体は庚申信仰とイコールとは言えず、その代表例が日光東照宮のの三猿です。あれは庚申信仰とは違う。しかし、路傍とか町中に地味に存在する場合は、一旦庚申信仰と考えて良いかと思います。加えて、鶏と日月があるのでまあ間違いないでしょう。

ということで、珍しい庚申塔を長野県の長野市で2つ見つけました。1日歩いただけでこれとは、他にある可能性は十分。一方、単に職人が同じで遊び心だったりする可能性があるので地域の発見というのは早計に過ぎますが、極めて興味深いものに巡り会う事が出来ました。大満足です。
posted by harukuni at 19:11| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 神社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月17日

ニューヨーク・ワインの夕べ

ありがたい友人の誘いで行ってきました、ニューヨーク・ワインの試飲会。経験が皆無ではありませんが、複数をまとめて飲むのは初めてです。前に飲んだ数少ないワインは、実は余り良い思い出ではなかった。今回は如何に?という気持ちで臨みました。
(銘柄名、ヴィンテージは写真でご容赦を。資料持って帰るの忘れたので)

ウェルカムの泡、白赤3種類づつで計7種類。生産者が3名説明に来ているほか、ワイン専門家と、インポーターが各一名で説明します。

グラスを置くシートに銘柄が書かれていますが、白3種は全部リースリング。かなり驚きましたが、これは意図的なもの。
ニューヨーク州全体の地図が写されていましたが、それによると中央部のフィンガー・レイクと東のハドソン・リヴァー地区、そして大西洋に突き出しているロングアイランド島がメインの産地に見えました。ただし、ハドソン・リヴァー地区のワインはなく、白が全てフィンガー・レイク、赤はロングアイランドの物でした。(泡はロングアイランドのシャルドネ)。

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フィンガー・レイクは白の方が多く、最も作付面積が多いのがリースリングだそうです。ニューヨーク州中央部はものすごく寒いそうで(冬は軽く0度を切るらしい)、フィンガー・レイクの辺りは名前の通り存在する湖のお陰で辛うじて温かいのだとか。黒葡萄も作っていますが、やはりリースリング、となるわけです。日本以外は数年前からリースリングがブームだと言うし。

左から、極辛口、辛口、ほんのり甘口なのですが、会場の最高人気は中央で私も同感。酸と甘みのバランスが一番良い気がしました。ただ、友人はボーン・ドライの方が好みと言うことで極辛口が良いと言っていました。確かに奥行きはちゃんとあります。
ほとんど無色に近いながら、結構香りも味も充実感がある。リースリングで嫌がられるペトロールの風味はないし、さすが寒い地域、酸はしっかりしていますが尖ってはいない。ちょっと軽すぎるきらいがありますが、中々好印象です。

一方の赤は、左からカベルネ・フラン、メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン。少しヴィンテージが違います。

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赤は恐らく圧倒的に左のフランが良かった。カリフォルニアよりはるかにエレガントで肉付きより骨格で押すタイプ。ベリーのきれいな果実味と、カカオの感じがちょうどバランスが良い。香りはかなり樽を感じますがそれもやっぱり果実風味とバランスが取れています。一嗅ぎで「良い!」と思いました。

それに比べ、メルロとCSは何か野暮ったいし、土臭い感じ。余り食指が伸びないなあ。生産者が来ていた1本が特に良かったのは偶然かなあ(疑り深すぎ)。

ただ、やっぱり厳しいのがお値段。最後に購入リストが配られたんですが、CFは6,800円。友人と、5,000円を切ってくれないと「ニューヨーク」という付加価値メインになっちゃうなあと話していた矢先だったので、あーあ、という結論でした。リースリングは3,800円くらいで、まだかなりマシですがやはり値頃感が微妙です。
あと、リースリングの特に真ん中(一番美味しかったもの)はこのラベルを変えないと日本じゃ一層厳しいと思うなあ。ひと昔前のドイツワインそのままじゃない。私は好きだけど、私が好きって事は・・・

辛うじて聞き取れた話ではフィンガー・レイクはドイツに加えオーストリーもかなり意識しているようです。栽培品種にグリューナー・フェルトリナーとレンベルガー(ブラウフレンキッシュ、口頭ではそう言ってた)がある位ですし。
人件費という難題があるのは承知ですが、今一段安くなれば、特にフィンガー・レイクは面白い気がしますね。




なお、このワイン会は友人(日本人)が会員になっているアメリカ人の交流場所で、説明も客側もサービスと友人以外は完全英語。事前に知らされていなかったんで冷や汗でした。何とかワイン用語だけは聞き取りながら、映されている英語資料を必死に読みながら、ワインのテイスティングするんで頭がくたびれ果てました。途中から雑談状態になって、ヒアリングを消去してからは楽になりましたよ本当に。

海外に行かない私には良い経験になりました。
posted by harukuni at 22:26| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月10日

閑話休題〜オーストリーの美味しい泡

しばらくワインの話を書いていないので、石仏神の話から一旦戻します。

先週末の東急は、もう何十回やっているんだろうオーストリーワインbyAWA社の会。ノベルト・テッシュ社長とももはや顔なじみです。

今回、新入荷の、しかもAWA社としては新しい方向性のワインがありました。フックス&ハーゼ(FUCHS&HASE)のペットネットVOL2とロゼです。両方とも2015年。

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見ての通りのスパークリングですが発泡は穏やか。とても爽やかでフレッシュ、ぴちぴちして(泡だけど、それにしても)気持ちが良い。どちらかというとロゼの方が出来が良いかもと思っていたら同感者多数。色がきれいだし、より豊かな感じがします。微かに残糖を感じますがそれが一段の味の深さにつながっていると思います。

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葡萄はブレンド。VOL2はグリューナー・フェルトリナー60%とゲルバー・ムスカテラー40%。ロゼは、意外なことにツヴァイゲルト80%とカベルネ・ソーヴィニョン20%という色も味わいも濃いタイプの葡萄から、このフレッシュなロゼ。値段は参考上代3,900円とややお高いですが、美味しいから認めざるを得ません。

これからの季節ならクリスマスorニューイヤー以外なら部屋を暑くして飲んだら爽快で美味しいでしょうね。

これがAWAとしては新しい方向性というのは、最近いわゆるナチュラルワインで、無清澄・無濾過、SO2無添加だからです。一般的にそういうワインは社長が好まなくて輸入していないのですが、やっぱり美味しいので輸入したとのこと。現地で師匠もおおいに誉めたそうだし。

ところで、VOL2と言うことは他の番号もあって、葡萄が違います。1〜5なんだそうですが、社長・師匠両方とも「良いのは2と3だけ」(とロゼね)だそうな。師匠はなんで3を入れなかったのかと突っ込んでました。勿論次のヴィンテージ以降は変わるかも知れませんが(始めてから3年目だそうです)。

これを作っているのは、オーストリーで著名なユルチッチ(JURTSCHITSCH)。昔からAWAで扱っていて、元々かなり「自然な造り」のワイナリーですがそこの新世代が色々試行錯誤的に作っているそうです。以前からの銘柄もたくさん作っていて、他のラインもあるのでとんでもない銘柄数有るようですね。

楽天で見つからないのは、まだかなり輸入数が少ないのかも(聞きませんでした)。見つけたらぜひお試しを。但し、無濾過なのでかなりの澱があって(特に白)、沈めて飲んだ方が美味しそうですよ。
posted by harukuni at 20:49| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月09日

路傍の謎の石仏神〜予想外の中編

今日は一言触れなければ。アメリカは、そして世界はどうなってしまうんだろう。結果的に大して変わらない気もしますが、それは希望的観測。

私なんぞにどうしようもないことは放っといて。またも驚く偶然がありました。前回触れた二臂の弁才天について、今読んでいた本に書かれていたんです。
端戸信騎著「戸隠山九頭龍考」。当然戸隠信仰について書いている実に面白い本なのですが、戸隠の本来の「神」の九頭龍〜今は手力雄神になっていますがこれは江戸時代頃からの後付け(細部をやや省略)〜の本地が大弁功徳天=弁才天だったという所から、後半に弁才天について述べています。

少し長いですが引用(p183〜184)。
服部法照「日本撰述偽経と『仏像図彙』」(仏教文化学会紀要」二)によれば、元禄三年(一六九〇年)の『仏神霊像図彙』には、琵琶をもつ二臂の妙音弁財天と、二臂で右手に剣、左手に宝珠を持った大弁才天と、それに頭上に白蛇を頂いた宇賀弁財天ということになる

この前段で、宇賀弁才天は八臂だと確認しています。

私が見たのはここで言う大弁才天そのものだったというわけです。しかも、同書のこの後の記載・図版によれば、あの著名な井の頭公園の弁財天の図像(お札)では井の頭公園も大弁才天だったそうなのです。(頭上に鳥居を頂いています)

同書のここの部分は特に民間に於ける戸隠信仰の受容について書いたところで、弁才天はあくまで前提知識なのですがその分きれいにまとめられています。あくまで像容基準ですが、弁才天には代表的に三種あったようですね。

ところでこの本、独特な語り口で、エッセイと研究書の中間みたいです。根拠となる資料については上記のようにきちんと出典を示しますが注にはせず、知識を博捜して説を述べながらも(弁才天については最初に山本ひろ子著「異神」を引用)、まとめがこんな具合だったりする。186頁、戸隠方面で九頭龍を主尊としていた巳待ち講について考察してきた最後に。
宇賀神を穀霊神〜<中略>〜に重ねてきた俗信もあるから、農民の巳待ち講の弁才天は宇賀弁才天でもいいだろう。<中略>〜町民の場合は知恵・弁舌・音楽の妙音弁才天でもよく、祀る者それぞれの都合はある。

都合によってどっちでもあるんだという、しっかりとした結論なんですがこういうあっさりというか放り出したみたいにも思えるまとめの文章は、いわゆる研究書では見ない気がします。その辺がこの本の魅力だと思いますが、論旨を追うときちょっと困ったりもしますね。

この本は某大規模書店でたまたま手に取ったもの。しかも、この後書こうと思っている後編にも思いっきり関係するんです。

九頭龍様のお導きでしょうか。
posted by harukuni at 20:52| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 神社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月07日

路傍の謎の石仏神〜前

町を歩いていると、中途半端な知識ではカバーできないものに出会います。
モヤさま的なそれではなく宗教遺構、と格好良く言えば良いのですが変な石仏神(後述)です。詳しければ「あ、それね」だろうし以前の自分のように知らなければ「ふーん」で終わっていたのでしょうが、気になります。しかもそれが地域でまとまっているかのような状態だといっそう。でも、それを探すのも難しいし。

今回は全て横浜市の都筑区で出会ったものです。一つ目は東方町の天満宮にありました。

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右手に宝剣、左手に宝珠を持っている憤怒像の感じですが、頭にとぐろを巻いた蛇が乗っています。蛇がよおっく見ると人面っぽい。
それって、宇賀弁財天じゃないですか?でも、それだったら八臂で色々持っているはずですがこれはシンプルだし、第一顔が男っぽいぞ。これどなた様?

そもそも弁天かどうかも全く定かでない、と思って歩みを進めてたら見つかったのですよ。池辺町の八所神社と、その南にあった小祠。
これが八所神社のもの。

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頭上に蛇は頂いていませんがどうやら鳥居が乗っている。これも宇賀弁財天にあるパターンです。薄いですがもうあと2本は腕も見えています。(もっとはっきりした写真を撮りたかったのですが、ヤブ蚊の猛攻撃を受けて逃亡)

で、小祠。

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お顔も少々欠損しながら女性っぽい髪型。頭上は、えーっと・・・。でも腕は、主な2臂の背後に4臂あって、持物は法輪、弓矢までは判ります。が。
おい、メインの腕生え方異常すぎるだろうが!!!それは普通手じゃないぞ!

しかし。これは間違いなく弁財天なのです。なぜなら。

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はい、バス停。横浜市認定!

ハアハア、くたびれきるぐらいのインパクトですがこれを事前に全く知らずに会えるのが神社歩きの素晴らしいところ。勿論こんな収穫祭は年に1回あるかどうかですけどね。

今から宇賀弁財天の通常の持物を確認してみますがそれはこれら素晴らしい路傍の弁財天様に何か文句をつけるわけじゃない。この予想の付かないところが巨大な魅力なんです。

でもさあ。最後の弁天様の腕は、何かに抱き付かれてるみたいで気持ち悪いぞ。
おい、石工!!(え?意図的??)



石仏神:庚申塔とか弁財天とか、神とも仏ともつかない石像を表現するための私の造語。最近読んだとある本から影響を受けました。仏・神を厳密に別けるなんて意味ないと思うので、まとめました。
posted by harukuni at 21:54| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする