2009年02月20日

現場って大事だよねえ、でも・・・

数日前から中川前財務相の話が大騒ぎ。第一報の直後、数時間は変に大人しかったんですが、それが嘘のようです。


ワインマニアの私としては聞き捨てならない話で、かつ二日酔いの逸話も少なくないので身に沁みるんですが、ここへ来て変な話が出てきた。直前にワインを飲んだときに、新聞の女性記者が同席していたというんです。それが癒着だなんだという話になりかけているらしい。

隠すのは良くないとして、でも大臣とごく少数で会食できる機会が有れば、そこへなんとしても乗り込むのが報道人としてはプロなんじゃないでしょうか。オフレコが99%だとしても1%のスクープが有れば、それは国民の知る権利につながるわけだし。関係者の肉声に接触することで他では得られない情報が手に入るんですよ。その為に、個人的に会食に呼ばれるのは記者としては褒められるべき事でしょう。なんで批判されるんですかね。


と、ちょっと世相を斬ってみましたが全然小さい話なんですが、それをちょっとだけ実感できる体験をしました。地図が結構間違っているという話です。でも、意外なことにその間違いは、現場を知ろうとする努力が逆効果になってしまったのかなとも推測できるんですね。



青梅市、多摩川の南岸は昔ながらの風景を残し、神社がいっぱいあります。大きい神社もありますが、集落の守り神的な小さい神社がちょこちょことあるんですね。

名前の出ていない所も多いですが、その中で地図上「無野神社」となっているところがありました。変った名前です。gooの地図でも妙に大きく出ています。地名でも無さそうだし、なんなんだろう。


それがあるきっかけで思い当たりました。「熊野神社」の間違いなんじゃないか?「熊」の字を横に半分に切ると、下が似ているので無になっちゃたんじゃないだろうか。


そして、行ってみるとこれが小さい集落の鎮守社。地図上の大きい取り上げ方が不思議です。近づいてみると額がかかっていました。

20090220_01.jpg20090220_02.jpg



なるほど。これは「無」に見えるよなあ。


社の中に書いてないかと覗き込んでいましたが他には情報がない。あきらめて帰ろうと振り返ると、参道の入口にお爺さんがいました。置いてあった袋を片付けています。

「通りすがり」なんて人がいるような場所でなく、私がかなり怪しい人間のはずなので、逆に声を掛けてみました。「ここ、熊野神社ですかね?無野神社と聞いているんですが」


そうしたら思いもよらないほど充実した返事が返ってきました。なにしろ「パソコンの地図じゃあ間違って載っているよね」と。お爺さんがパソコン地図(多分ネット)に言及するとは思いませんでした。

確かに熊野神社だそうです。しかもこの地域の歴史をよく調べている方で、由緒などをとても詳しく教えて下さいました。この位の小社で歴史を知ることは極めて難しい。そう言うことを調べている方に巡り会えたのが幸運でした。


この方と会えたのは、言うまでもなく私が現場に赴いたからです。もし地図とか、伝聞情報にだけ頼っていたら疑問には思いながらも「無野」のままでいたでしょう。この方は旧家の保存文書すら確かめているのです。極めて信頼性が高いです。

でも、実は逆のことも言えるのです。

なぜここが「無野」神社になってしまったのか。可能性は一つしかない。あの額を見たからです。あの書体が「無」に似ていた。この額しか「無野神社」という珍しい名前が出てくる可能性はありません。

ネットの地図の情報がどのように作られたのかは判りませんが、誰かが現場に行って、額を見て、それで「無野」だと思いこんでしまったのでしょう。それが神社の名前としてはちょっと妙だという知識は、恐らく無かったのでしょうね。普通人なら当たり前です。


この今も、某サイトの青梅市和田の地図には「無野神社」が大きく表示されています。神社に詳しい人なら疑問に思うでしょうが、普通の人にはそれで通ってしまうでしょう。

現場に行って、現物を見ても、それを理解する能力が不足していると本当のことは判らないという典型例だと思います。


かの女性記者は、現場へたどり着く能力はあったんでしょう。でも、それを十分に生かすだけの力は不足していたのかもしれませんね。しかしとてもじゃないがそれを批判する気にはなりません。自分だってお爺さんと偶然に出会えたから、正しく熊野神社だと判ったわけですから。


現場主義というと聞こえは良いんですが、現場を正しく取り扱うためには、やはり知識とか良識とかが必要なんだと思います。
ラベル:神社
posted by harukuni at 22:47| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 神社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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