2008年02月03日

[小ネタ]不思議なオー・ブリオン

ボルドーのシャトー・オー・ブリオンと言えば、ボルドーの5大シャトーの一つとして名前が轟き渡っています。5大シャトーはボルドーの中でもメドックとグラーヴだけの話で、近年最も高価なシャトー・ル・パンやペトリュスを生む右岸のポムロルやサンテミリオンは対象外ですが、それでも権威は絶大です。


ところで、グラーヴには「オー・ブリオン」という名前の付くシャトーが他に幾つかあります(オー・ブリオンはその付近の古い地名)。並べてみるとこんな感じです。


ラ・ミッション・オー・ブリオン
ラ・トゥール・オー・ブリオン
ラヴィル・オー・ブリオン
レ・カルム・オー・ブリオン


この4つは、場所もオー・ブリオンのすぐ近くにあり、いきさつは既に不明のようですが(レ・カルムだけは修道院に寄進したことが判っている)元々は全部オー・ブリオンでした。

ラ・ミッション、ラ・トゥール、ラヴィルの3つは常に一体に管理され、ラ・ミッションが主、ラ・トゥールはセカンド的存在、ラヴィルは白ワインという分担になっています。レ・カルムは昔から別の所有のシャトーですが、幾星霜の歴史を経て一旦分かれたラ・ミッショングループは1983年にオー・ブリオンを所有するクラレンス・デュロン社に買収され、元の鞘に戻りました。


とここまでは前知識(蘊蓄)です。あともう一つ、「オー・ブリオン」の名を冠するシャトーがあるのです。


それがこれ。シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオンです。


20080203_01.jpg
20080203_02.jpg


ラリヴェが不思議なのは、このシャトーだけがオー・ブリオングループから遥に離れたレオニャン地区にあることです。地名も関係なければ、有名な方のオー・ブリオンの別れでもありません。

なので、なぜここが「オー・ブリオン」という名前になったのか判らないのです。残念ながらそれほど有名なシャトーではないので、歴史について書いた物も見つかりません。


かろうじてあった情報が、かつてはオー・ブリオン・ラリヴェという名前だったのがオー・ブリオンから訴訟を起こされて1929年に現在の名前に改名した、と言うことです。これを書いてあったサイトにも「変わったように思えない」と書いていましたが同感。ただ大事だと思うのは、オー・ブリオンが「名乗るのはおかしい」と思っていたことが判ることです。


案外、単に便乗のつもりで勝手に名乗ったのかも。そうだとしたら今ではなかなか成功。それほど高い評価を受けていたわけではないのに、結構よく見るのです。レ・カルムの方がよっぽど珍しいですね。


なお、誤解の無いように言いますが知名度が低い=品質が低いというわけではありませんよ。昔はパーカーの評点も辛かったですが1996年以降大幅に改善された、と言っています。赤も白も良いですよ。

20080203_03.jpg

なお、レ・カルムはなぜか2000年だけがやけに高価だな、と思って確認したらパーカーの評価がとても良いのでした。94点ですがコメントで絶賛されています。1万円を超えますが、買ってみても良いかもしれません。「オー・ブリオン」で同じ評価なら5万円を軽く超えますよ。
posted by harukuni at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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