ところで、グラーヴには「オー・ブリオン」という名前の付くシャトーが他に幾つかあります(オー・ブリオンはその付近の古い地名)。並べてみるとこんな感じです。
ラ・ミッション・オー・ブリオン
ラ・トゥール・オー・ブリオン
ラヴィル・オー・ブリオン
レ・カルム・オー・ブリオン
この4つは、場所もオー・ブリオンのすぐ近くにあり、いきさつは既に不明のようですが(レ・カルムだけは修道院に寄進したことが判っている)元々は全部オー・ブリオンでした。
ラ・ミッション、ラ・トゥール、ラヴィルの3つは常に一体に管理され、ラ・ミッションが主、ラ・トゥールはセカンド的存在、ラヴィルは白ワインという分担になっています。レ・カルムは昔から別の所有のシャトーですが、幾星霜の歴史を経て一旦分かれたラ・ミッショングループは1983年にオー・ブリオンを所有するクラレンス・デュロン社に買収され、元の鞘に戻りました。
とここまでは前知識(蘊蓄)です。あともう一つ、「オー・ブリオン」の名を冠するシャトーがあるのです。
それがこれ。シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオンです。
ラリヴェが不思議なのは、このシャトーだけがオー・ブリオングループから遥に離れたレオニャン地区にあることです。地名も関係なければ、有名な方のオー・ブリオンの別れでもありません。
なので、なぜここが「オー・ブリオン」という名前になったのか判らないのです。残念ながらそれほど有名なシャトーではないので、歴史について書いた物も見つかりません。
かろうじてあった情報が、かつてはオー・ブリオン・ラリヴェという名前だったのがオー・ブリオンから訴訟を起こされて1929年に現在の名前に改名した、と言うことです。これを書いてあったサイトにも「変わったように思えない」と書いていましたが同感。ただ大事だと思うのは、オー・ブリオンが「名乗るのはおかしい」と思っていたことが判ることです。
案外、単に便乗のつもりで勝手に名乗ったのかも。そうだとしたら今ではなかなか成功。それほど高い評価を受けていたわけではないのに、結構よく見るのです。レ・カルムの方がよっぽど珍しいですね。
なお、誤解の無いように言いますが知名度が低い=品質が低いというわけではありませんよ。昔はパーカーの評点も辛かったですが1996年以降大幅に改善された、と言っています。赤も白も良いですよ。
なお、レ・カルムはなぜか2000年だけがやけに高価だな、と思って確認したらパーカーの評価がとても良いのでした。94点ですがコメントで絶賛されています。1万円を超えますが、買ってみても良いかもしれません。「オー・ブリオン」で同じ評価なら5万円を軽く超えますよ。
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