2018年04月30日

Chクリマンス1939

このGW東急恒例古酒の会、28日から今日まででした。

また感想を書こうと思いますが、まずこれを特記しておかなければいけない。Ch.クリマンス1939年です。

もう80年も経っているのに、まだ全く問題なく飲めます。豊かというよりもきっちりと引き締まってスリムな印象ですが、まだまだ甘みも感じる。ミネラルの風味が味にも香りにも強い。海藻とか海苔だとか盛り上がりましたが古いソーテルヌではよく感じる風味です。若い内にもあって、それでソーテルヌが生牡蠣に合うと言われるそうですが、若いうちは貴腐やフルーツの風味で隠れています。それが表に出ていて、若いソーテルヌとは全く違う個性です。


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ワインに慣れている人に絞っても、全員が美味しいと感じるとは思いませんが、師匠がよく言う「時間をかけないと体験できない」ワインであることは間違いない。私には非常に美味しいワインです。

1939年のソーテルヌはブロードベント3つ星、イケムは1~4でばらつきが多いとしています。グレートヴィンテージでは無いわけですが、その年でも優れたソーテルヌが一世紀以上もつのが理解できる、極めて貴重な体験でした。80年物にしては激安だったと思うし。(4,644円/30ml)
posted by harukuni at 21:08| 東京 ☀| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月27日

縁(えにし)とはこのこと

何度も書いている気がしますが偶然とはあるものです。ここしばらく触れている「湯屋と皇后」を読み終わったのが火曜日、その後手に取ったのは溜まっていたネットダウンロードの文献。題が気になっていたからすぐ読んだのですが、ここまで一致するとは想像だにしなかった。

副題まで入れると長いです。「『平家物語』に現れる日吉神社関係説話の考察ー中世日吉神社における宮籠りと樹下僧ー」(名波弘彰)

ここで何が凄かったのかを説明するには、ワインに全く興味が無い人にピジャージュとルモンタージュの最近の傾向について、オレンジワインも含めつつ説明するような物なのでやりませんが(この世の中に興味が或人は3桁がせいぜいだと思う)、前から気になっていて答えが見つからなかった事を、次から次へと説明している文献だったのです。

もちろん、この論文の見解が定説ではありません。ルモンタージュとピジャージュどちらが「良い」か決定するようなもの。でも私にとって欲しいけどどうやって手に入れたら良いかわからない情報が、まとめて載っていた得がたい論文なのでした。

まあこれじゃ余りに何にも無いので少し書くと、論文タイトルの通り比叡山の麓にある大社、日吉神社に関わる話です。日吉神社は西本宮・東本宮に大きく二つに分かれていて、東本宮の境内に無理に詰め込んだように「樹下神社」があります。また、今では東本宮の奥になっていて見えない、摂社の大物忌神社があります(あるそうです、見えないので)。

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正面は東本宮拝殿で、その奥に本殿があります。向かって左は樹下神社の本殿、向かって右は樹下神社の拝殿!どこを向いて良いんだか判らん。

論文の副題にある「樹下僧」からつながる、樹下神社の歴史が出てきます。また大物忌神社は神仏分離以前は「大行事社」という名前で、樹下神社は「十禅師社」と呼ばれていました。大行事も十禅師も、およそ神社の名前っぽく無く、知った時にものすごく不思議に思いました(十禅師って、お坊さんでしょ?)。

「湯屋の皇后」では、十禅師権現と大行事権現が稚児説話に登場し、山王信仰の最も基層の部分に関係する可能性を述べています。また樹下僧については前から影響を受けている山本ひろ子氏「異神」で取り上げられます。が、本題じゃ無いので「詳しくは別に書いた」とのこと。気になって々々々々々仕方なかったんです。


それがネットで入手できた論文で一気に情報が増しました。食い入るように読みました。「樹下僧」で検索したのは「湯屋の皇后」を読んだためとは言え、まさかここまでの論文に出会えるとは余りにも出来すぎに思えます。


神社巡り開始当初から庚申塔にも大いに興味を持ちました。今でも変わりません。それで山王の神猿が導いてくれたんでしょうか。
信長の焼き討ちで滅亡した日吉神社を再興した神官が記録を残していますが、大行事社の神像は、頭が猿なんだそうですよ。
posted by harukuni at 22:05| 東京 ☁| Comment(0) | 神社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月25日

ボルドー2015

週末のカウンターはボルドーと有れば、年1回なんだから行かないわけにはいきません。2015はボルドーもグレートヴィンテージだし、期待大です。

着いてすぐ、全く見たことのないボトルを見つけました。よくよく見ると
Ch.マルゴーだ!どしたの?

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一番下にHommage Paul Pontalliereと書いてあります。そういえばしばらく前に亡くなったんだっけ。スペシャルキュヴェなのか?

聞いてみたら2015年が@マルゴー創業200年記念、A新醸造所完成記念、加えて2016年のポンタリエ逝去の3つが合わさったので紀念のパッケージだそうです。全然知らなかった。最近情報収集してないからなあ。
2016ヴィンテージは元に戻るってことですね。

グラス8,900円では手も足も出ず見送りです。ボルドーは来客が少なく、余り種類を開けないので飲むワインも限られます。もしかして私一人かと思ったらさすがにそんなこともなかったけど、静かなのは予想通り。

土曜に本格的に飲み、日曜にはちょっと顔を出しました。日曜4時ごろに着いて驚いたのが、そのマルゴーが売り切れていたこと。絶対残ると思ってたのに。

値段は厳しいですが、2015だし、特別ラベルだし、例によってですが8,900円/60mlなら市場価格より安いので、飲む人が多かったんだと想像します。

手が出た中で、印象的だったのは。

1.ボワ・カントナック(発音についてひとしきり議論。ボイドじゃないよなという点は客同士で合意。ネットも両論併記状態ですな)
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 ず〜っと落第生扱いだったこのシャトーがカウンターに出た自体も驚き。
 飲んでみると、果実を凝縮させたタイプで色が紫がかっている。ネガティブなニュアンスは一切ありません。ボルドーらしい上品さも持ちます。
 ボトル6800円くらい。お買得になったと思います。


2.クリネ
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 果実の甘みがより一層前面に出るところはさすがポムロール。余韻がとても長く、バランスがいい。マルゴーを除くと師匠一押しだったのがうなずける。ボワ・カントナックに比べると、赤い果実を思わせますね。メルロ中心ならでは。
 本筋じゃないけど、ネックの「C」マークが広島に見えてならん。日本だけの事情ですがね。

3.レオヴィル・バルトン
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 クリネと双璧で、デュアール・ミロンとかパヴィヨン・ルージュとかより一段上です。クリネよりより引き締まったニュアンスでタンニンを感じるのはさすがは左岸。それがうまく複雑さと現れていて実に美味しい。


ポンテ・カネは逃しちゃいました。今回飲んだ2015はどれも今飲んで申し分なくおいしいと思います。1年後には閉じちゃうかもしれないので。
ラベル:ボルドー
posted by harukuni at 19:50| 東京 ☔| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月23日

ゴヌーの値段とネットショップ

楽天でワインを見て回っていました。そういや、ミシェル・ゴヌーってどんな感じで売られてるんだろう。今の異常高騰の波には入っていないんじゃないか。
結果、昔のまんまと言う事は有りませんが、97年のポマール・グラン・ゼプノで2万円はまあ許容範囲内かも。およそ早いでしょうけどね。

最後に一番高いものを見たら、お、10万超え!?ゴヌーで?とよくよく見ると1978です。やっぱりグラン・ゼプノ。同じショップで88のゼプノは90,000円。88は高くないか?開くまであと20年はかかるだろうし。78も良い年だけど40年物だから、もしかしたら、運が良いとそろそろ飲めるかもね、などと思いながらウィンドウショッピングしてました。

商品情報の最後に「リュジアンはパワフルすぎるという方におすすめのクリマ」って書いてあって日本の一体誰がリュジアンとゼプノの差なんて気にするんだよおい、海外の本の訳からコピペしたな、と笑ってましたが、商品写真を見て唖然。

いいですか、たかだかワイン1本が、9万とか10万とかするんですよ。買う側は確認の連絡をするとかしない限り、写真だけが頼りなんですよ。

それが、写真のヴィンテージは2010年なんです。ラベルがやけにきれいだと思ったよ。グラン・ゼプノだけど別物の写真。これじゃ本当に扱っているのか疑念を抱いて当然じゃないですか。実物は写真と違います、でOKなのはリーズナブルのワインですよ。まあ3千円くらいまでなら良いけど、10万がこれですか?

これではショップが信用できません。自分で信頼を落としてどうするんだ?ほとほと呆れます。1本10万のワインの在庫が有るんなら、その写真くらい撮りなさいよ。他のショップは普通にやってるんだから。

ゴヌーに罪はないので代わりに写真をアップしましょう。あ、こっちはマグナムなので、通常瓶は印象が違うのでご容赦の程を。

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ということで、結論はコレクション自慢でした。
(ラベルの痛みは完全に私の責任ですが、飲むのに支障は無いからね。でも、いつ飲むんだこれ・・・)
posted by harukuni at 18:44| 東京 ☁| Comment(0) | ワイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月22日

武州御嶽神社の狛「豚」

土日の青梅線の御嶽駅は降りる人が多数。そこからケーブル下まで行くバスは1台では乗りきれず、応援が出ていました。なんか本当に時代が変わった感満載。

ケーブルカーの正式名称は御岳山登山鉄道。京王グループとはまた知りませんでした。これも大いに賑わいます。歩いて登る人も少なくないんですね。多くの人の目的地は当然御嶽神社。木曽とかと紛らわしいので「武州御嶽神社」といいます。

御嶽神社は山岳修験で吉野の金峯山蔵王権現の事で、木曽を始め御嶽という名前の神社はたくさん有りますが、明治の神仏分離で神社になる時祭神を設定しました。武州の主祭神は櫛真智命で、これは延喜式の大麻止乃豆乃天神社だと称している為ですが正直馴染みがない神様。それよりも御眷属という位置づけの大口真神の方が知名度も一般の受容も上ですし、現在の武州御嶽神社の推しも大口真神です。大口真神、それは狼の神格化です。大きい口だというわかりやすい命名。


武州御嶽神社はペットの犬を連れての参拝OKを前面に打ち出していますが(たいていの神社は神域はペット禁止)、それは狼を祭っているからです。だから、こういう素晴らしい物が有るんです。

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境内社の皇御孫命社(すめみましゃ)の前にある「狛犬」です。これは、狼なんです!!!!

豚でしょ?豚ですよね??。「あ、豚さんがいるよ!」と声が上がる。狼には全く見えない。ちなみに本殿前の大きい狛狼はこれ。

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これはこれで狼に見えないけど。周囲の人が「ライオンだ」と言っていたのも納得です。狛犬は本来獅子なんだからそっちが正しいかもなあ。

これら、特に豚さんの方を断定しているのには理由があります。先日書いた伊勢清峰神社にもありましたが、他にも奥多摩には狼信仰があって、「おいぬさま」と称されています。その像が所々に残されています。伊勢清峰神社より更に奥、檜原村笹久保の貴布祢神社の物はこれ。

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これが狼だという事は、論文「檜原村の狼信仰」(西村敏也氏)に書かれています。この論文は奥多摩の「おいぬさま」を祭る神社を実地で調査し、現地の人に話を聞いているので間違いないんです。

もっとも武州御嶽の豚さんは貴布祢神社や伊勢清峰神社の象ともだいぶ異なりますが、丁寧に作ったらこうなったという事なのかと思います。

正面写真。

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やっぱり豚にしか見えませんけどね。
posted by harukuni at 11:29| 東京 ☀| Comment(0) | 神社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする